ベリオン

2016.11.09更新

先週の手術から…ベリオンガイド下での白内障手術を開始した。自分が思っていた以上に恩恵を享受出来ている(患者様にメリットがある)ので紹介したい。

前提として、ベリオンガイド下の手術は、保険適応なので当院での全ての白内障手術に利用出来ます。もちろん患者様の負担額は変わらないのでご安心を!

ベリオン…アルコン社の白内障手術のための最新の術前検査機器です。

私は、患者様の白内障手術後の生活の質を向上させる要因は、大きく2つだと考えている。

1つは、手術の質。当たり前たが、低侵襲で短時間オペが、患者様に負担が少なく回復が早い。

2つは、挿入する眼内レンズの度数の精度。手術が綺麗に完遂出来ていても、肝心なレンズの度数ズレが生じては元も子もないし、角膜乱視が強く残れば、当然生活の質も低下する。

ここで活躍するのが、ベリオン。

眼内レンズを決定するには、角膜(黒目)と眼軸(目の長さ、大きさ)のデーターが必須。それぞれに身長差があるように個人差があります。

特に角膜乱視が強い方には、角膜の術前情報が本当に大切で、術後の裸眼視力(生活の質)に大きく影響します。もちろん眼鏡を付ければ良く見えますが…眼鏡って煩わしくないですか?
その気持ちに寄り添いたから…当院では、ベリオンの導入であり、乱視矯正レンズ(単焦点)や多焦点レンズの提案なのです。

ベリオンは、その人の術前の角膜データー(手術とは別日)を手術当日にそのまま顕微鏡のガイド下で利用でき、その人にあった切開創の位置や前囊切開の大きさや位置を、手術時にダイレクトに確認しながら手術が出来る画期的なシステムなのです。

白内障手術時に、切開創の位置をその人に合った位置で作成して、さらに乱視矯正レンズを併用すれば、今まで以上により精度の高い乱視矯正手術(白内障手術をしているのに)にもなり得ます。

実際、白内障手術で乱視矯正レンズを(ベリオンガイド下)使用して手術した印象は…

①術前に煩わしいマーキングが不要な点(患者様の負担減 )

②手術中にガイド下で安心して手術を遂行できる。最初は、慣れが必要ですが、ガイド光が思ったより邪魔にならずやりやすいと感じました。

③乱視矯正レンズの最終の軸調節も自信を持って、手術を終われます。

④術後の乱視は、予定どうり軽減されており、裸眼視力で1.0近く出て患者様も喜んでいました。これが一番大事な事実です。(今回は、強主経線切開は行わず)

残念ながら…ベリオンは、眼軸は測定できませんので、従来の光干渉眼軸測定器のデーターを利用して眼内レンズの度数は決定しています。眼軸測定が困難な患者様では、未だにレンズ度数ズレのリスクはあります。ただ、従来までの手術精度となんら変わりません。

今回ベリオンを導入して…より乱視矯正に精度が上がった白内障手術を提供出来るクリニックになった事だけでは無く、私の白内障手術もガイド光を利用できるため、リアルタイムにより精度の上がった前囊切開を施行、確認出来るようになっため手術技術の進歩を実感出来る出来事でした。

今後、ベリオンガイド下での耳側切開と強主経線切開と上方切開での術後乱視の差をうちの保坂君(ORT)とデータ化し、よりオーダーメイドの白内障手術を提供出来るように尽力致します。

 

 

手術の特設サイトでもブログを書いてます。
是非ご覧ください。

http://www.vitreoretina.jp/

 

投稿者: 下之城眼科クリニック