レーザー白内障手術

2016.04.22更新

先日…埼玉の七里にある七里眼科クリニックの院長である山崎健一郎先生のご厚意とアルコン社の助けを借りて七里眼科クリニックの手術と施設見学に行って来る事が出来ました。

レーザー白内障手術…最先端レーザー装置(フェムトセカンドレーザー)を使用した近未来の白内障手術です。全国にも、まだ数えるだけの施設にしかありません。

以前から個人的な興味がありまして…うちのORTの保坂君と看護師の岩淵さんも巻き込み一緒に見学、勉強してきました。

 

レーザー白内障手術

 

七里眼科クリニックの山崎先生は…なんと数年前に、日本で初めてその機械を導入して、今や日本一の症例数をこなされている先生です。その先見の明と患者様に対する熱い思い(より良い技術を患者様に提供する)は、同じ術者として経営者として、見習うべきところが多々ありました。

当院でもそうですが、全国で行われている一般的な白内障手術の全行程は、術者であるDr が人為的操作でやっています…レーザー白内障手術は、一番手術でクオリティーの差が出る箇所(前嚢切開)と難症例ほど合併症の起きやすい箇所(核分割)、また傷口作成(角膜切開)をフェムトセカンドレーザーを使って機械的に安全かつ正確に行う事が可能です。その他の工程は、従来どおり人為的操作で行います。

慣れれば…術者として難症例や前嚢切開のストレスから解放される手術(もちろん機械のセッティングや微調整など他の部分での新たな知識やテクニックは必要になりますが…)になり得ると同時に、患者様には今よりも精度の高いより安全でより綺麗な手術を提供する事を手助けしてくれるツールだと確信しました。

当日は、助手についてその全行程を複数例の患者様で見学させて頂きました。特筆すべきは…痛く無く、綺麗な仕上がりの白内障手術が安全かつ確実に行えること。レーザーが担う箇所は約20秒程度です…が、あくまでも補助的ツールと捉え、術者主導で対処法を間違えなければ、合併症は皆無。

実は…私自身LASIK体験者です。(術者としても患者としても)研修医時代に…ある先輩Dr に新薬(点眼)も新しい技術も可能なら自分が身をもって体験しなさいと…。当たり前ですが、経験すれば、される側(患者様側)の気持ちが分かります。体験に勝る勉強なし…。

レーザー白内障手術…将来必ず自分も白内障になります。さらなる技術革新があるでしょうが…現時点で自分の大切な人達(家族など)にも勧めたい技術ですし、自分も受けたい技術だと思いました。では、目の前にいる患者様にはどうか?答えは明確です。

ただし…今のところ保険適応では無いので、多焦点眼内レンズのようなプレミアム手術(自費)としての位置付けになります。金銭的なハードルが、当然のしかかります。

決して誤解されたくないのは…今現在、自分が保険でやっている白内障手術のレベルもかなりの高水準だと自信も自負もあります。万一の合併症に対する対処も全て対応可能だという事。

医療は、日々目まぐるしく進歩しています。技術革新を支える技術者達。患者様のためになる技術をより成熟させていく先駆者のDr 達。私には、そんな才能はありませんが…一臨床家として彼らに共通する情熱(患者様のためになる)だけは見習い、現状の医療水準に満足する事無く、日々勉強の精神を持って(患者様の為になる)高崎で地域医療の発展に貢献していきたいと思います。

レーザー白内障手術の第一人者である山崎健一郎先生に会ってきました。山崎先生は、導入当時の苦労話(Drとして経営者として)や数多く経験された裏付けからくる大変為になるお話も楽しい食事会の中で、素敵な奥様と一緒にしてくださいました…いわゆる酒席での裏話。同じ術者として感銘を受ける内容やある迷いが吹っ切れ勇気付けられた内容もありました。

誠にありがとうございました。私は、このご縁をぜひ大切にしていきたいと思います。うちのスタッフのみんな…また一緒に勉強しようね!

投稿者: 下之城眼科クリニック